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映画鑑賞レポート「花戦さ」


 


 映画“花戦さ”を、メキシコへ出張に行く機内で見た。


 時は太閤秀吉の世。戦国期を経て大いに成長した日本のエネルギーの束ねを一手に託された秀吉が、その精神を破綻させつつあった時代。茶道の千利休に次いで、池坊専好(いけのぼうせんこう)が、華道の道をもって、天下人の哀しみ、苦しみ、そして足掻きに、真っ向から挑み、諫め、包み込もうとする、その凄まじい戦いを描いている。


“武人たるもの茶と華を、人の心を、大事にせよ。それこそが上に立つ者の道じゃ。”


 池坊専好/野村萬斎、千利休/佐藤浩市。自分はその道の心得はまるでないが、茶道、華道の祖たちの覚悟に、ただただ感銘を受けるばかりである。


2017年9月

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