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フランス語始めました

 今回パリに来て驚いたことの一つは、存外英語が通じることである。例えば、何かの手続きや買い物をする時でも、お店の人が、自分がフランス語が話せないのだとわかると、自ら英語に切り替えて話してくれたり、その場にいる英語の出来る人を連れてきてくれたりして、概ね英語でことが足りる。特に若い人は、けっこうな確率で、そこそこの英語が話せる。

 

 かつては、「フランス人は、仮に英語がわかってもフランス語でしか対話してくれない。特にパリはそう。」なんてことを、しばしば聞いた記憶があるが、今は随分変わっているのかもしれない。グローバリゼーションは、決して悪いことばかりではないと思う。

 

 とはいえ、フランス人ばかりの職場では、自分との対話で敢えて英語でやってくれる部分以外は全てフランス語だし、各部門長が集まって月イチで開催されるマネージャーミーティングもフランス語である。

 

 メキシコ時代もその種の会議が毎週あって、当然言語はスペイン語だったが、自分もそこに参画して喧々諤々やっていた。そういう場で展開されている論議から得られる情報は、英語にサマライズして本店に報告されるマネジメントレポートなんかとは、情報価値としての深さも広がりもタイムリーさも、当然のことながら、全然違う。

 

 自分は、その後ロシアに4年いたが、ロシア語の習得は、結局入り口ぐらいに留まり、そこから先へは行けなかった。スペイン語を理解出来ることで、メキシコでハンズオンで関与できていた領域と、ロシア語が出来ない中、モスクワで自分単独で介入出来た領域の差は、やはり大きかった。モスクワでロシア語無しでなんとかやっていけたのは、日々のオペレーションを、自前会社ではなく、ドイツ系の企業への委託でやっていたことと、優秀なロシア人社員が自分の右腕として活躍してくれたからである。

 

 英語が話せるということは、例えば、自分が属する母語の部屋から大きな廊下に出るようなものではないかと思う。その廊下で、他の言語の部屋から出てきた人たちと、立ち話しをするといった感じである。

 

 第二外国語を話せるということは、いわば相手の言語の部屋にまで上がりこむことで、そう考えれば、ただ廊下で立ち話しをしているのとは、人とのかかわり方、文化への触れ方、さらには、ビジネスにおけるガバナンスでの嗅覚の利かせ具合も、違って当然かもしれない。

 

ということで、せっかくだから、フランス語を勉強してみようと思う。


 ご縁があって師事した先生は、日本人の男性と結婚し、日本に住んで35年以上になるフランス人の女性で、パリ時間の朝の時間帯にFacetimeのウェブ受講形式でやり始めた。


 先生は、フランス人らしいとてもチャーミングなおばあちゃまで、少女のようにきゃあきゃあとよく笑いながら楽しく授業を進めてくれるのだが、なかなかのスパルタでもある。特に、発音については大変厳しい。確かに、フランス語を習得するにあたって、発音は、最も重要な要素かもしれない。フランス語は、しゃべるのではなく、“奏でる”言語だなと思ったりもする。


 先生は、かつては日本の大学でもフランス語の教鞭もとっていたようで、やはりそういう方のきっちりした授業を受ける価値は大きなとも感じている。


 ということでまぁ、フランス語、頑張ります。目指せPolyglot!




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