「違う」と「異なる」
この所、言語関係の話しが続いているが、ついでにもうひとつ。 小4の息子の日本語補修校の宿題で、「しゃべる、話す」や「割る、砕く、壊す」のように、似通ってはいるが若干ニュアンスの違う動詞を適切に選ぶというものがあった。結構難しいもので、小4でこんなレベルの授業をやるのかと感心した。国語力は全ての基礎なので、多少難しくてもチャレンジングなカリキュラムは基本的に良いことだと思う。 息子が一番間違えたのは「違う、異なる」の区別であった。 ①自分と「 」意見も大切にする。 ②「 」学校の友達と遊ぶ。 ③その答えは「 」。 ④注文とは「 」料理が出てきた。 英語で言えば、「違う」が「wrong」、「異なる」が「different」になるだろうか。ネットで改めて辞書を見たりして、息子への説明のために(多分に本人の趣味で)つたない絵を書いてみた。(我ながら字も汚いなあ。) しかし、これって結構深いテーマではないだろうか。少なくとも口語的なニュアンスでは、「違う」という言葉には「different」という概念も含まれていると思う。 そういえば、何かの書き物で、「違うという言葉は本来単に『同一でない』という意味なのに、これが否定的なニュアンスを持つのは日本語だけだ。多様性を認めない日本文化の問題点を象徴している。」という論文を読んだことがある。日本文化が多様性を認めないかどうか、それが問題かどうかはそんなに一面的に語れないと思うが(八百万の神 vs 一神教という点で見れば大いに多様性、柔軟性を認めている)、面白い着眼点ではある。